単純総合原価計算の具体的な計算方法(原価計算表)


単純総合原価計算で実際の原価計算を理解しましょう。

単純総合原価計算は、単一の製品で単一の工程というシンプルな原価計算方法です。

仕掛品がある場合の原価の計算方法を前のページで説明しましたが今回は、実際に原価計算表を使って具体的に説明します。

●前提条件

  • 月初における仕掛品原価 280万円
    直接材料費 200万円 加工費 80万円

  • 当月製造費用 3000万円
    直接材料費 2000万円 加工費 1000万円
     
  • 当月の生産データ
    月初仕掛品  20個(加工進捗度 50%)
    当月投入量 120個 
    当月完成量 100個
    月末仕掛品  40個(加工進捗度 50%)

このデータを元に先入先出法により、完成品原価と月末仕掛品を計算します。


摘要 数量
(個)
直接材料費
(万円)
数量
(完成品換算量)
加工費
(万円)
原価
当月投入
(製造費用)
120 2000 (9)110 1000 (16)3000
月末仕掛品 40 (3)667 (7)20 (12)182 (17)849
差引 (1)80 (4)1333 (10)90 (13)818 (18)2151
月初仕掛品 20 200 (8)10 80 (19)280
完成品 (2)100 (5)1533 (11)100 (14)898 (20)2431
単価 (6)15.3 (15)8.98 2431÷100=24.31

それぞれの項目の計算方法です。
数字の前の()の中の番号が以下の項目の前の番号に対応しています。
項目の後の数字が値です。

(1)差引数量(80)=当月投入量(120)-月末仕掛品(40)

(2)完成品(100)=差引(80)+月初仕掛品(20)

(3)月末仕掛品の直接材料費(667) = 当月投入直接材料費(2000) ÷ 当月投入(120) X 月末仕掛品(40)
 仕掛品の材料費は、製造費用の材料費が全部費用になります。

(4)差引の直接材料費数量(1333) = 当月投入の直接材料費(2000) - (3)月末仕掛品の直接材料費(667)

(5)完成品の直接材料費(1533) = (4)差引の直接材料費数量(1333) + 月初仕掛品の直接材料費(200)

(6)直接材料費の単価(15.3)= (5)完成品の直接材料費(1533) ÷ 完成品数量(100)

(7)月末仕掛品の完成品換算量(20) = 月末仕掛品(40) X 加工進捗度(0.5)
仕掛品の加工費は、完成品の進捗度で配賦しますので完成品換算量を計算します。

(8)月初仕掛品の完成品換算量(10) = 月初仕掛品(20) X 加工進捗度(0.5)

(9)当月投入の完成品換算量(110) =
(2)完成品数量(100) + (7)月末仕掛品の完成品換算量(20) -(8)月初仕掛品の完成品換算量(10)

(10)差引の完成品換算量(90) =(9)当月投入の完成品換算量(110)-(7)月末仕掛品の完成品換算量(20)

(11)完成品の完成品換算量(100)=(10)差引の完成品換算量(90)+(8)月初仕掛品の完成品換算量(10)

(12)月末仕掛品の加工費(182)=
当月投入加工費(1000) ÷ (9)当月投入の完成品換算量(110) X (7)月末仕掛品の完成品換算量(20)

(13)差引加工費(818)=当月投入加工費(1000) -(12)月末仕掛品の加工費(182)

(14)完成品加工費(898)=(13)差引加工費(818)+月初仕掛品加工費(80)

(15)加工費の単価(8.98)=(14)完成品加工費(898) ÷ 完成品数量(100)

(16)当月投入原価(3000)= 当月投入直接材料費(2000) + 当月投入加工費(1000)

(17)月末仕掛品原価(849)=(3)月末仕掛品の直接材料費(667) + 月末仕掛品の加工費(182)

(18)差引原価(2151)=(16)当月投入原価(3000) - (17)月末仕掛品原価(849)

(19)月初仕掛品原価(280) = 月初仕掛品の直接材料費(200) + 月初仕掛品加工費(80)

(20)完成品原価(2431)= (18)差引原価(2151) +(19)月初仕掛品原価(280)



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