総合原価計算の種類
前のページで原価計算の全体像について説明しました。
今回は、総合原価計算の種類と内容について説明します。
総合原価計算は、大量に連続して生産する形態に適した原価計算の方法です。
総合原価計算は、製造形態によって大きく次の4つに分類されています。
- 単純総合原価計算
- 組別総合原価計算
- 等級別総合原価計算
- 工程別総合原価計算
- 連番品総合原価計算
です。
それぞれ説明します。
- 単純総合原価計算
同種の製品を連続して生産する場合に適用される計算方法です。
製造工程全体で発生した製造原価をもとに、完成品の製造原価を計算します。
- 組別総合原価計算
同じ工程や製造ラインで異種の製品を連続生産する場合に適用される計算方法です。
自動車とか電化製品などです。
製品の種類ごとに組をつくり、その組別に原価を計算します。
- 等級別総合原価計算
同種の製品を製造しますが、形状や大きさ、品質などで等級をつけて区分するような製品形態で適用される計算方法です。
お酒の一級酒、ニ級酒やTシャツのLサイズ、Mサイズ、Sサイズなどです。
等級別総合原価計算では、等級別の原価の割合を求めます。
Lサイズ 10枚 X 1.0(等価係数)= 10
Mサイズ 10枚 X 0.8 = 8
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合計 18
かかった費用が1800円だと
1800 ÷ 18 = 100円
原価は、
Lサイズの原価 100円 X 10 = 1000円
Mサイズの原価 100円 X 8 = 800円
になります。
- 工程別総合原価計算
複数の製造工程を経て、製品が生産される場合に適用される計算方法です。
第一工程で中間製品、第二工程で完成品を作るような場合です。
化学工業や製紙業などで用いられます。
- 連番品総合原価計算
同じ製造工程で、同じ原材料から違った種類の製品が生産される場合に
適用される計算方法です。
異種の製品の一方が主製品で、もう片方が製品価値が著しく劣るような場合です。
副産物です。
「豆腐」と「おから」などです。
他にも、「単一工程総合原価計算」や「加工費工程別総合原価計算」などがあります。
あなたの会社の生産形態にあった原価計算のやり方を使う必要があります。
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